Q3Support はまだ残っているのでフォークするほどでもないかな。
というわけで回路を書くついでに Qt-BSch3V の使い方を説明しようかな。
インストール
Momonga Linux 5/6 ではバイナリを配っているので
# yum install qtbsch3v
でインストールするだけで使えます。
それ以外の場合、Momonga Linux の RPM を使っても良いですが、御自身でビルドされた方が良いかと思います。
(このページでは Qt-BSch3V の解説を行っています。Linux 環境下でも Wine を用いれば Windows 版の BSch3V も動くようです。)
http://www.suigyodo.com/online/schsoft.htm
こちらからダウンロードして展開の上、
$ cd qbsv047 (展開したファイル名と同じ) $ cd qtbsch3v (ソースが含まれるディレクトリは ls を行って確認してください。) $ qmake (Momonga Linux では qmake-qt4 という名前である。バージョンを確認の上使用すること。) $ make
すればバイナリができます。Qt-LCoV も使うのでそちらもビルドしておいてください。
qmake が生成する Makefile には install ターゲットが無いので、インストールしたい場合には手動でコピーしてください。
初期設定
ライブラリ
さて、Qt-BSch3V を使う前にデフォルトライブラリを登録する必要があります。登録したライブラリの情報はホームディレクトリに保存されますので、始めに1度だけやっておけば済みます。
Momonga Linux のバイナリの場合、このライブラリは RPM の説明にも書いてありますが
/usr/share/qtbsch3v/LIBV
に保存されています。編集することもあると思いますので、ホームディレクトリ、または、何かしらの書込み権限のある共有フォルダにでもコピーしておいてください。
ホームディレクトリに展開してソースをビルドした場合、
${HOME}/qbsv047/LIBV
に保存されています。
$ qtbsch3v
で起動します。Momonga Linux の RPM をインストールし、メニューから辿る場合には、[K]→[サイエンス & 数学]→[BSch3V for Qt] (KDE) です。
引数のオプション等はないそうです。Qt が受け付けるオプションのみ受け付けます。
(この画面はすでに設定済み・画面のフォントは M+ 1mn)
[Set]→[Library] をクリックすると
このダイアログが開きますので [Add] (追加) をクリックして先ほどのコピーしたファイル群を指定して[開く]をクリックすれば、一度にたくさん追加できます。
これで追加できました。
フォント
Momonga Linux でご利用の場合、フォントは Bitstream Vera Sans のサイズ 6 がお薦めです。Ω 記号も使えます。
フォントは [Set]→[Label Font] で選択してください。
変わった挙動
これがなかなか慣れるのが難しいのですが、Qt-BSch3V ではマウスホイールは表示の拡縮になっています。スクロールではありません。
部品を追加する
Component ツール(左から5番目) をクリックし、回路図上の素子を置きたい場所をクリックすると挿入ダイアログが出てきます。
挿入する部品の名前が分かればそれを入力することで検索できます。基本ロジックは IC の名前(番号?)で入っています。例えば、NOT が欲しければ 7404 等になります。
部品を削除する
Select ツール(左から3番目)をクリックし、部品やワイヤーをクリックするとそれを囲む線が現れますので、Delete キーを押せば削除されます。
導線を引く/結線する
Wire ツールを選択し、図面上をドラッグすると引けます。Bus (太い線) や、ダッシュ線 (破線) でも引き方は同様です。
線は1回だけ直角に曲がり、カーソルに最も近いグリッドまで引かれます。
また、
- 開始点から鉛直に線を引いてから、折れ曲がって目的地に行きたい場合は先に縦方向にマウスを動かす
- 開始点から水平に線を引いてから、折れ曲がって目的地に行きたい場合は先に横方向にマウスを動かす
とできます。
Junction ツールを選択し、図面上をクリックすると、結線用の点を書くことができます。結線用の点は個別の部品として扱われます。
バス線を引く
Bus ツールで線を引き、単線のワイヤーと結ぶ時は Entry を使います。Qt-Netlist を使用した時に正しい結果を得るためには Label ツールで配線に名前を付けておく必要があります。
Ctrl+R でオブジェクトは 90° 回転します。
結線したまま移動
選択したオブジェクトの結線を外さずに移動するには、Drag ツールを使います。結線している選択していない配線に対して直角に動かすと線は斜めになりますので御注意ください。
まとめ
まだいくらか機能はあるけど、とりあえず基本的なところはこんなものだろう。
というわけで、終わり。