ルギア君の城の前。
キリルン「ヘヘルデメ、ウニクラクリムデイプンセメクウエウモス! (ようこそ、ルギア君の城へ!)*1」
サーナイト「???」
キリルン「ペアセデ、ルギーアサン ケ ディッゲ ル! (ようこそ、ルギア君の城へ!)*2」
サーナイト「ミーズズポン キッペアディッモ オガンノモ。(ミズちゃんに用があるんだが。)」
キリルン「ヨソギットディッゾ。ネアレ。(わかりました。どうぞ。)」
サーナイト「行こうか。」
ジル「私も入ってよいのか?」
サーナイト「キクンミーンモ テボクミシッペクケソ? (人間もはいってよいのか?)」
キリルン「・・・ディッホゴサ エテジクイェ。(しばらくお待ちを。)」
サーナイト「ちょっと待っててだってさ。」
・・・ルギア君の部屋。
キリルン「というわけで、人間が来たんだが・・・」
ルギア君「それで?」
キリルン「ミズちゃんに用があると言っていますが・・・」
ルギア君「言葉が分からないなら僕が案内しよう。」
キリルン「よろしくお願いします。」
・・・
ルギア君「ようこそ。ルギア君の城へ。」
ジル「うわっ! 人間の言葉が喋られるのか?」
ルギア君「ああ。ミズちゃんに用があるのか?」
ジル「いえ、私はつれてこられただけで・・・」
ミミロップ「ミーズズポン コゴセケビッゼ イェ ディクモジクガンデュポク ソゼエテムジー・・・ (ミズちゃんならこの人を知っているんじゃないかと思って・・・)」
ルギア君「オ、デアクアセゼソ。(あ、そういうことか。)」
ルギア君「来てくれ。シッジーサギル。」
・・・ルギア君の部屋に来た。
ジル「ここは・・・?」
ルギア君「僕の部屋だ。」
ジル「落ち着きますね。」
ミズちゃん「ウニクラクリムデイプン、シシクデイヘヘル? (ルギア君、何か用?)」
ルギア君「セギクオルラ、ミーズズポン イェ ザギージャジッゾモ ヘサソゴボコデア。(とりあえずミズちゃんを連れてきたが、僕から話そう。)」
ルギア君「キミは、ジルだね?」
ジル「何故、知っている?」
ルギア君「僕はもともとキミが住んでいた時代よりも未来の人間だった。」
ジル「そうなのですか。」
ルギア君「キミの武勇伝はしっかり受け継がれているよ。」
ジル「そうですか。」
ルギア君「ここはキミが見た通り、ポケモンだらけの世界であり、キミが住んでいた世界よりもずっと昔だ。地域も違うかな。」
ジル「・・・」
ルギア君「まあ、落ち込むなよ。キミが生きた時代とちがってだいたい平和だ。」
ジル「・・・」
ルギア君「あとは、キミが元の世界に戻りたいか、この世界で行ってもよいか・・・だな。」
ジル「私は、・・・どうすればよいかわかりません。」
ルギア君「困ったな。どっちでも直ぐに実現できるが・・・」
ジル「ここは、何か雰囲気的に落ち着くし、ずっと平和なら安心できるが、私はおまえたちの言葉がわからない。」
ルギア君「・・・ならば、ここに居ればいいだろう。言葉などどうにでもなるものだ。」
ジル「・・・」
ミズちゃん「・・・タヒヒル、デデセク スムウスプセ? (じゃあ、ここに居るの?)」
ルギア君「メメルシウシクメメルイシ。(そうなりそうだな。)」
ルギア君「ジル ヨ セセキク クガ セゼキク コムゾ。(ジルはここにいることになった。)」
ミミロップ「ルポオ、ヨゾディッジクオソギーニー ソルガニーダ。(じゃあ、私達はこれで帰るわ。)」
サーナイト「よかったわね。」
ジル「・・・」
チャームズは帰った。
ルギア君「ミズちゃん、ジルに椅子を持ってきてやれ。」
ミズちゃん「はい。」
ジル「ミズちゃんも人間の言葉を話せるのか?」
ルギア君「ああ。ミズちゃんも人間だったからな。」
ジル「ところで、ポケモン達が使っている言葉というのは何なのですか?」
ルギア君「この世界にはもともと彼らの足型を使った足型文字というのがあったんだが、複雑だったし、文字の数が300以上あったから覚えるのが面倒だったんだ。」
ジル「300も、ですか。」
ルギア君「チャーレムやミミロップが使っていたのがそれを簡略化した以前のルギア君語。入口でキリルンが言った言葉や、ミズちゃんが言っていたような言葉はこの城であらたに作りなおした新言語だ。だからまだあまり外部のポケモンには通じないんだ。文字ベースでは足型文字を使うポケモンもいまだにいるからね。」
ジル「へぇ。」
ミズちゃん「持ってきました。」
ルギア君「立ち話は辛いだろう。座れや。」
ジル「ありがとうございます。」
ルギア君「ミズちゃん、リリアンを呼んできてくれ。」
ミズちゃん「わかった。」
ルギア君「空いている部屋があるから、そこを使ってくれ。」
ジル「はい。」
ルギア君「キミは竜騎士だね。この部屋と同様に窓から出られるように改良しておくよ。」
ジル「窓から出る?」
ルギア君「空を飛べるものには与えているんだ。」
ジル「ほう。」
リリアン「ウニクウヌクウニムンリ デイクビミクキ。」
ルギア君「何て言ったと思う?」
ジル「ええ・・・」
ルギア君「ギグムウオ。入れ。」
ジル「入れっていうことは、『リリアンが来ました』ってことなのか?」
ルギア君「そうだ。」
リリアン「!」
ルギア君「デデルカヘデプマクシスムヨ ドウプウオ。硬直しないでくれ。」
リリアン「ギ、ギグム・・・」
ルギア君「ルギア君語で『ギグム』とは『はい』と返事するときに使うんだ。」
ジル「ギグム。」
ルギア君「そうそう。ヘンデイデユムセ メメルデネ ニムドウコ ドウクウオウデユムスクミクコ トウクウテユプリ ミプゴウゴプヘヘルセク ムクコドウプウオ。4階の倉庫を空けて綺麗にしてジルが住めるようにしてくれ、っていう意味だ。」
ジル「ありがとうございます。」
ルギア君「『ありがとうございます』は『ニウニクリケケルレテイテウムビミプ』だ。」
ジル「ニウニクリケケルレテイテウムビミプ。」
リリアン「イエイエルユニムキミクビミクコ。」
ルギア君「どういたしまして、だって。」
ジル「イエイエルユニムキミクビミクコ、か。」
・・・数十分後。
リリアン「ネムニムキ。」
ルギア君「『終わった』って。行こうか。」
ジル「ギグム。」
・・・ジルの部屋。
ジル「綺麗だな。」
ルギア君「ここは正面向きだから、景色も良いだろう。」
ジル「ですね。」
つづく。